雨のち晴れ


部活の時間。


もう、由奈はいない。


「時雨ーっ?」

「雪歩先輩……。」

「時雨、風歌ちゃん、入学したんだね、」

雪歩先輩。

バスケ部の先輩

「こんなこと言いたくないけど、ゆき、風歌ちゃん、苦手なんだよね…、」

「雪歩先輩…。」

「ゆきにとって、1番の友達は、時雨だもん。」


笑顔で可愛いことを言ってくれる。

ほんとならいいのにね。


その言葉が……。


どうせ違うんでしょう?



今までの連中のように私を捨てるんでしょ?


「雪歩先輩、行きましょう。」

バスケ部員は、あたしのことを嫌っている。

だから、雪歩先輩にもかかわらないで欲しいと、何度も告げた。

なのに、なぜかあたしに、話しかけてくれる。

でも、どうせいつかは、裏切られるんだから。

信用しちゃいけない。

たとえ、中学からの付き合いでも。