優弥の思いつきに深く関わってはいけない。

それが俺の教訓だ。


コイツに散々振り回された過去の経験からだ。



「圭一、キスがしたい!」
「だから勝手にしてこいよ。」
「だからキスがしたいんだってば!」



優弥は俺が読んでいた漫画を奪い、床に投げた。



言い忘れていたけど、ここは俺の部屋で、当然漫画も俺のものだ。


自分の物を投げられたら、人はムッとするもんだろ?



「何すんだよ!?」
「圭一が話聞いてくんないから!」


ガキか!と喉まで出掛かって、言葉を飲み込んだ。


これ以上は面倒だったから。