「キスがしたい!」


そう友人が言った。

俺は、またかと溜息をつく。


昔からコイツ――佐藤 優弥(サトウ ユウヤ)は唐突なやつだった。


何をするにも思いつき。



「なぁ、キスがしたい!」
「はいはい。お前なら女捕まえ放題だろ。勝手にしてこい。」


俺――岡崎 圭一(オカザキ ケイイチ)は読んでいた漫画から目を離さず答えた。