私は笹倉美樹。
今年中学生になった。


「はぁ、美樹ってば…
大丈夫だよ、美樹はかわいすぎるんだから。」


美樹は笑ってそう言うけど…。
クラスも別々だしさ。

不安しか…ない…。



ガラガラガラ。

開ける扉が重たい。

入った瞬間みんなが私を見ているような気がして、
とっさに俯いてしまった。


居心地悪いな、やっぱり。


「ねぇ、あんた誰?」

いきなり話しかけられ
ビクッとしてしまった。


「…笹倉…み、美樹です…」


「ふーん。よろしく。
あたしは浜川美沙理。」


私は出された手をそっと握った。

「よ、よろしく…。」


その言葉は丁度なったチャイムと重なって
聞こえなかったかもしれない。