林健は行きと同じく、ずっと話し掛けてきた
「あの…質問良いですか?」
「えぇ、どうぞ」
私が話し掛けたらさっきとは違った満面の笑みへと変わった
「何でそんな機嫌が良いんですか?」
一瞬、笑みが消えたがすぐに笑顔に戻った
だが、その笑みは作り笑いだった
「そう見えます?」
「えぇ…」
「…」
それから林健は黙り、車内は会話が行き交う事は無かった
喫茶店に着き私はお礼を言って車を降りた
いつも聞く「いえ」という言葉は無かった
車が見えなくなるまでずっと目で追った
何か、してしまったのだろうか
あの質問がいけなかったのか
何故、聞いてはいけなかったのか
ずっと疑問が残っていた
マンションに戻ってもあの林健の顔が頭から離れない
何か知らないけど、ごめんなさい
私は心の中で謝っといた