twin∞soul

私は時計を気にしながら、流の働く会社へと自転車を走らせた。

うっかり花屋で店長さんと、長話をしてしまった。

慌てたから息切れする。

どうかまだ、帰ったりしていませんように...。

私は会社に着いても、何度も携帯電話を見ていた。

「おっ、喫茶店の子じゃん」

流と仲良い、優しいお兄さん。

「こんばんわ」

軽やかに近寄って来て、私に優しい笑顔で問いかける。

「また流を待ってるの?」

「はい」

「もうすぐ出てくるけどさ...」

優しいお兄さんは、私を不思議そうに見る。

「ありがとうございます」

「あのさ、君たちは結局のところ、仲良くなった訳?」

「はい」

「...そぉ~う」

私は満面の笑みで返事をして、流が出てくる先を見つめていた。

ハッ!

出てきたぁ~ん☆

自転車を引いて、白いTシャツに首にタオルを掛けて、流が出てきたぁ~ん☆

汗をふいてるしくさがヤバい。

カッコ良すぎる~!!

「流っ!」

私の一声に、流の目が点になる。

「笑?」

大きく手を振ると、近寄ってきた流は、

「急にどうしたの?」

冷静に問いかけられた。

「ちょっと重要な話があったから、会いに来ちゃった☆」

勿体ぶってみる。

「何だそれ...」

あれれ、困惑してる。

「やっぱり、メールしてからのがよかったか なぁ?」

「まぁ、そうだな」

そう言って流は、優しいお兄さんをチラッと見る。

もしかして、私たちの事は秘密にしてたの?