自転車に乗りながら何度も携帯電話を気にかけていると、

『帰ってる途中、もうすぐ着く。笑は?』

片言の言葉だからこそ、ストレートに正直に伝わる。

『私ももうすぐ着くよ』

『そうか』

どうでもいい、やり取り。

私は寝る前にも、こっそりと流にメールをする。

『オヤスミ★』

すると、私の文書をそのまま返信してるのか、

『オヤスミ★』

と、流は必ずメールをくれる。

本当は、面倒だって思ってるはずなのに。

男って、こういうの嫌がるから。

でも、私の携帯電話の受信BOXには、どんどん流の文字が溜まっていく。

それが嬉しくて、何度も暇な時間に読み返しては、胸をときめかせていた。