翌朝の喫茶店。

流はいつものように一人で来て、いつもの窓際で朝の緩い光りを浴びながら、静かにアイスコーヒーを飲む。

振り返るはずのない背中を見つめながら、私は心で感じる。

斜め後ろから見える色白の頬、まばたきした時に動く睫毛の先、それからストローを軽く口元に添えて、朝刊を見つめている姿。

長い足を組み直して、たまに頬杖をついては、またページをめくる。

そろそろタバコを吸うんでしょ?

人差し指で灰皿を自分の側に引き寄せる。

指も長いんだって言いたいのか。

...カッコ良すぎる!

タバコを加えた口唇は。

昨夜の私にキスした口唇。

マシュマロみたいに、ふわふわな甘い口唇。

...カッコ良すぎる!

カッコ良すぎるのよ、オッサンのくせに!