でも流ってば、本当に整った顔立ちしてる。

完全なる卵形の小顔に、眉も一重瞼もキリッとしていて、マシュマロみたいな厚みのある甘い口唇。

月明かりが、流の色白の頬を照らすから、 余計に綺麗に見える。

一つ一つの、そのパーツとのバランスを、私もじっくりと見る。

性格ネジ曲がってるくせに、こんな美形なんだから、このオッサン。

悔しいけど、カッコ良過ぎる。

流、何で急にキスしたの?

いつもなら、強気で思った事言えちゃうのに、言おうとすると、胸がギュッと縮まるの。

流は黙ったまま。

もう、恥ずかしさが限界。

視線を逸らそうとした矢先。

再び、さっきよりも強く引き寄せられて、流は私の口唇を全て覆ってしまうくらいのキスをしてきた。

最初は浅く吸ったり、軽く口唇を甘噛んで、まるで私自身を探っているように。

流も、私を知りたいの?

私は、あんたが嫌がらせしてくるから、大嫌いだったんだよ。

でも大嫌いだったはずが、今はこうして流の口唇を躊躇わずに受け入れてる。

傷付いたり腹を立ていたはずなのに、今はこんなにも流の口唇をもっと欲しいと求めている。