twin∞soul

家に帰ると、時夫の側へと近寄る。

「時夫、聞いて聞いて。今日は最悪だったの~」

「ふぅ~ん」

少し甘えてみるものの、時夫はそれどころじゃないと、テレビのお笑い番組に釘付け。

全然私の半泣きの顔すらも見ないで、大笑いしている。

「ちょっとぉ、時夫ってば!」

「後にして後に。今、いいところだからさ」

何コイツ。

私がこんな思いをして、慰めや同情を求めているのに、テレビを優先するなんて。

一緒に住んでる意味ないじゃん!

同居人ですらの、役にも立ってない。

時夫って、一体何のために私の前に存在してるの?

「時夫のバカ!」

そう言っても、時夫はテレビに大笑いをしていて、無駄に私の声が一人響いていた。

むなしくなって、腹が立って、家を飛び出した。

どんだけ腹を立てても、どんだけ悩んでも、誰も何も返ってこないなら、一人になりたい。

どっか一人で、静かに落ち着く場所へ行きたい。

自分の落ち着く場所を求めて、私は自転車を走らせた。