午後15時からの花屋でバイト。

もう、半年は経つかな。

アレンジや花束だって一人で作れちゃう。

お花達に囲まれて私は花屋の可愛いイメージを崩さないように、笑顔でブリッコ気味にお客さんに声をかける。

「いらっしゃいませ、お花いかがですか?」

私がバラのトゲを処理していると、子どもを抱えた女性がジッと私を見つめていた。

あれっ、誰だっけ? 知らない...見たことないお客さんだ。

「いらっしゃいませ、何かお探しですか?」

その女性は私の持っているバラを指差して、
「それ一本下さい」

「あっ、これまだトゲの処理してないから、今すぐ取りますので少々お待ち下さい」

私は慌ててトゲを取り、待たせたお詫びで包みにリボンを付けてあげた。

私と同じ年くらいかな。

私とは全然違って大人しそうな女性。

ずっと私の手元を見ている。

そんな気がして、私はチラリと見る。

その視線は、私自身に向けられていた。