「...おい、聞こえてるって」

「いいさ別に。ワザと聞こえるように言って やってるんだから」

「流(ながれ)は本当にそういうとこ、キツイって」

「そう?俺は自分に正直なだけだ」

「まぁ、そんな流も俺は羨ましくも思うが。しかし明らかにあの子、こっち見てるんだけど...いや、ありゃ睨んでるな」

「知るかよ」

また、鼻で笑いやがった!

ムカツクーッ!

ワザとにしても度合いってのがあるでしょ。

一緒に居る連れの男が困惑してる事すらも、コイツは気に止めないのか。

自分に正直ってね、オッサンが小学生みたいな事を言ってんじゃないよ!

あんたが、ガキそのもの!

私は相当怒ってますよ。

怒りを我慢するあまり、身体中がプルプル震えてるっての。

「ほら、あれ絶対怒ってるし...」

「逆に面白いじゃん。あぁいう女の怒らした後の化けの皮が、どんなもんか俺は知りたいね~」

あぁいう女って言いやがったし!

キェーッ!

「流っ、それは言い過ぎ。それにしても、おまえに目を付けられるとは、何とも気の毒」

「いいんだよ、あぁいう女にはこれくらい言ったって」

またしても、あぁいう女か!

クソーッ!