ポツリ、ポツリと二人で呟くように静かに言い合う。

痴話喧嘩?

じゃれてるみたい。

こういうの好き。

「流のバカ」

私が困って、わざと大袈裟にホッペを膨らますと、流もわざとホッペを膨らまして言ったの。

「笑のアホ」

「マネするな~」

「マネするな~」

エヘヘッ...楽しい☆

「流と居ると落ち着く...まるで、お父さんみたい」

「………」

流は不自然なまでに、固まっていた。

あれ、私…。

何か変な事、言った…?

しかも何て表情…。

眉間にシワよって、難しい顔。

「流、どうしたの?」

「………」

何も言わない、いや...何も言えない感じ?

「バカにしてる訳じゃないよ、安心するって意味だよ。ごめんね?」

悲しそうな目。

私にはそう見えたのは、何故?

「流?」

「やっぱ、抱く...」

へっ?

流は何だかいつもと違う感じで、私に身体を押し付けてきた。

今夜は、何かが違っていた。