弱い女性にあんな強引な事をして、最低最悪だよ。

ま、対して傷ついちゃいないけどさぁ。

あれやこれやと帰ってから思い出すんだろうけど、今夜の事は時夫には言えない。

秘密にしておこう。

素知らぬ顔をして、時夫の待つ家へと戻る。

「おかえり、今日は遅かったね。寄り道?」

「うん、ちょっとコンビニで長いしちゃった。そしたら喫茶店の子とバッタリ会って、さらに
立ち話よ」

「立ち話とはオバサン。お疲れさ~ん」

「ちょっと先にシャワー浴びてくる」

「どうぞ~」

時夫はテレビに釘付け。

全然私を見ていない。

ま、いいけどさ。

首筋に残る、あの男の口唇の感触がなんとも気分が悪い。

早く洗い流したい。

げっ...!

私の腕には不自然につけられた、あの男の指の痕がクッキリ残っていた。

押さえると痛い。

なかなか消えない年齢なんだよな。

こういうの...。