流はどんどん足を進めていく。

前へ前へと進めていく。

部屋もさっさと決めて、扉もさっさと開けて、二人だけの空間へと入っていく。

私はこんなに足が震えてる。

意識し過ぎてるのも分かってる。

「無駄に広い...」

流の声が聞こえるたびに、心臓がバクバク高鳴る。

この年で、こんな気持ちになるだなんて...。

流は突然部屋の電気を全て消すから、私は余計に身体全体が震えた。

「えっ、どうして...」

一瞬真っ暗で何も見えない。

まさか、こんな形でもうエッチするのかよ!

カチャカチャ音がするから、私はビビりまくる。

えっ、何今の音?

まさか、流...脱いでる?

「笑...こっち見て...」

いやっ!恥ずかしい! そんな暗闇でも、さすがに露骨には無理ーっ!!

私は顔面を手のひらで隠した。

その指の隙間から、キラキラと宝石箱の中にいる流が見えた。

「笑、夜景きれいだよ...」

流は大きな窓を開けて私に見せてくれたのだ。