吸血鬼の眠る部屋

 


「別に難しいことじゃない。お前はただ、人が来ないように見張ってればいい」


「見張り――」


「他のことは俺らがやる。どうせお前には出来ないだろ」


見張るだけなら、わたしにも出来るのかもしれない。


けれど、彼らはきっと人間を殺すのだ。


それに加担できるのか?


このわたしに?




「美月は狩りに行かないんですか?」


それを気にしたのは、わたしが今とても美月を意識しているからだ。


彼女はわたしを仲間だと認めていない。


たぶん、わたしを邪魔だと思っている。


「あいつは行かない」


蒼ははっきりと言う。


「美月は人間と吸血鬼の混血児で、だから弱い。狩りは無理だ」


「混血…ハーフなんですか?」


「ああ」