吸血鬼の眠る部屋

 


蒼と宵春が隣の部屋に戻って、美月がこの部屋に帰ってきて。


その頃にはもう朝日が出始めていたから、わたしはベッドに横になった。


ベッドは中古だけれど布団は新品で、それに潜り込むと子供のように心が弾む。


単純だなあ、と自分でも思う。




「――あたしは認めてない」


カーテンで光を遮られた室内に、美月の声が響く。


掛け布団で口が隠れているのか、くぐもった声だった。


独り言だろうか。


「あんたのこと、まだ仲間だなんて認めてないから」


わたしは息を止めた。


美月はわたしに言っているのだ。


「蒼と宵春は優しくて強いから大好きだけど。吸血鬼なのに弱っちいあんたは大嫌い」


わたしは掛け布団をぎゅうっと握る。




「だから――あたしからあの二人を奪ったら、絶対に許さないから」


淡々とした声音が怖かった。