吸血鬼の眠る部屋

 


美月が眠った後、わたしは重い体を起こして部屋を出た。


カーテンに阻まれた窓の向こうでは、きっともう朝日が昇っている。


「……」


美月の部屋の隣は蒼と宵春の部屋で、今は二人も眠っているはずだ。


音を立てないよう注意して、廊下を歩く。


けれどたまにミシッと床板が軋んで、そのたびに息を飲んだ。




リビングに入りドアを閉めて。


ほう、と息を吐く。


室内はやはりカーテンのせいで暗く、足元に気をつけながらカウンターキッチンに向かった。


シンクにはいくつかの皿やお椀、フライパンなんかが重ねられている。




吸血鬼も料理をするのだろうか?


何を食べているんだろう、なんてことを考えそうになって、慌てて止める。


恐ろしい想像しか出来そうにない。