わたしは美月の部屋に連れていかれた。
リビングと同様に裸電球がぶら下がった、6畳の洋室。
華奢なパイプベッドがひとつと本棚しかない、簡素な部屋だ。
「…はい、これ」
美月がクローゼットから毛布を取り出し、わたしに押し付ける。
「太陽が出てるときにカーテン開けたら、殺すから」
窓の外では空の紺色が徐々に薄くなっている。
そろそろ朝になるのだ。
女の子らしいピンク色のカーテンをきっちりと閉めきって、美月がベッドに寝そべる。
わたしはノロノロと毛布にくるまり、床の上に転がった。
体がだるい。
それに、頭も鈍く痛む。
こんな時、日宇良さんがいれば痛み止めの薬を貰えるのに。
じわじわと目が潤んでくるのを止められない。
ここは怖い。
帰りたい――。