胸に刻んで



巧平が出て行って少し経った頃、
保健室のドアが開いて誰かがまたやってきたようだ。 
 

先生かな。


訪問者は誰だろう。




「松澤だいじょぶかぁー?」


「え。緑川」



制服姿の緑川だった。


あれ?チャイム鳴ったんだっけさっき。
鳴ったような鳴ってないような……




「……失恋したのになんで私笑ってられるんだろう」




ふふっと小さく笑みが漏れる。


端から見れば怪しい人。
ひとりで笑ってるんだもん。

不気味だよね。うん。