胸に刻んで



「……ありがとう。玖実」



椅子から立ったかと思えば私に向かって頭を下げる巧平。


ありがとう……って言われた?


えっと……えっ? なに?



自分の鼻を啜る音がやけに大きく聞こえた。
うわ、恥ずかしい。




「俺も頑張るから」


真っ直ぐで真剣な目を向けてくれる巧平。


拳を突き出す巧平に私も大きく頷いてコツンとぶつけた。


そうだよ。
頑張って姫ちゃんに想い伝えてよね。





「ありがとう。ごめんな」




応援してるよ。
絶対姫ちゃんとうまくいくよ。



口をきゅっと結んでにっこり笑ってみせた。  

私、ダメだなぁ。

コントロールできないなあ……
今、喋ったら泣いちゃいそう。