胸に刻んで



椅子がギシッと音を立てた。


巧平がどんな表情をしているかなんて分からない。


見れない。




「ただ伝えたかっただけ。好きだって」



自分勝手でごめん。

あぁ、言ってしまったと思うのと同時にこれで終われるな、となんだか気が軽くなっていく感じがする。


いきなり好きって言って。

泣いて。

本当に自分勝手だな私。


息を吸い込んで、無理やり口の両端を持ち上げて笑顔を見せた。


告白の時ぐらい少しでも可愛く見られたい。




「ふふっ。答えはわかってるよ。だから早くちょうだい?」




ごめん、って返事を。


わかってる。

ちゃんと構えてるよ。



告白って勢い任せでやるもんなんだなってなんとなく今思った。