私は泣きながら、嬉しくてしょうがなくて笑った。



「だからね、ありがとう。」





私は初めて、“ありがとう”と言った。



ずっと、ずっと言えなかった。



言いたいと思わなかった。






「わっ私たち友達なんだから、これくらいでありがとうなんてっ」



「南海が照れてる〜。南海は照れ屋なの。」



「ちょっと理香子、余計なこと言わないでよね。」



「頭叩かないでよ!」




なんか、楽しいね。






その時、静かに病室のドアが閉められていたことに、私は気付かなかった。