彼との思い出。


「じゃあ~、行ってくるね」


そういって家を出ようとしたとき、


おばあちゃんに呼び止められた。


「奈子!ちょっと待ちなさい~」


・・・なによ~!もう!


「なに?」


振り返ってそういうと、おばあちゃんが携帯を手にこちらへ向かってきた。


「写真撮るから、そこに立って」


えええ~!


私、写真に写るの嫌いなんですけど。


写真写り、悪いんだよぉー!


私の心の声なんて、当たり前だけど届くはずもなく。


手でチョキをつくり、顔の横にもっていき


ひきつった笑顔で撮りました。