ボールを追いかけた夏

神憑中央病院とはここらへんでは結構設備も整った大きな病院。

何故神憑と呼ぶのかは彩乃もよくは知らないんだけど。

確か、ここらへんは昔神様への信仰が強かったとか。そして一人一人に神様が憑いているという考えがあったらしい。だから神憑。

あ、よく知ってるじゃん。うん。よく歴史を勉強しているからね。

「あ、ここか......」

やっぱりすごい大きい病院だ。六階建てだけど敷地面積が広い。とにかく......ものすごくでかい。

中に入ると一番上の階まで吹き抜けになっている。昔からある病院だけど最近は建て替えたので綺麗になった。

「すみません。五条錬って何号室ですか?」

「ご家族の方ですか?」

「いえ、知り合いです」

「分かりました。625室です。あちらのエレベーターから六階に上がって右に曲がってください」

「分かりました」