ボールを追いかけた夏

「おはよー。お母さん、朝ご飯ー」

「出来てるよ。食べといて」

「はいよー」

「あ、そうだ。錬君のことなんだけど......」

「なになに?錬がどーかしたの?」

お母さんが静かに告げる。

「......入院したんだって」

「......え?」

「今日学校休みでしょ?お見舞い行ってあげて。すぐ近くの神憑中央病院だから」

「うん......。分かった」

そう言ってすぐに着替えをして家を出た。