「春奈!意識が戻ったって…!」

 “先生”の診察を受けているときに、

 扉が開いた。

 入ってきたのは、私と同い年くらいの男の
 
 子。

 「吉野くん…」

 女の人が言った。

 「おばちゃん……?どうかしたの?」

 「春奈の…記憶が…」

 女の人ー私の“お母さん”は、泣き崩れた。