「っ」
――――泣きそうになってそばにあったホウキを倒してしまった。
「っ..蓮..誰かいるみたい。」
桐嶋先輩が近づいてくる....
―――――見られてしまった。
「えーっと....」
「先輩っ。先輩は最近如月先輩に好きっていうようになったって本当ですか?なんでですか?私ならっ...私たちファンの子ならっ...!」
どうしよう。
こんなの...ただの嫉妬じゃん。
「.....ごめんなさい。」
え...?
「本当だよ。...最近好きってちゃんと言えるようになった。変だよね。付き合ってるのに。大好きなはずなのに。....でも蓮といると....好きって言えないの。心臓が毎日止まりそうなくらい、ドキドキしてて..好きっていったら止まらなくなりそうで....」
「でも..最近は素直になろうって決めたんだ。ファンの子たちがいるのも知ってる。私も嫉妬したりしたから...だからっ」
「ファンの子たちの分も...絶対に蓮を幸せにする。」
「っ..」
あぁ...
桐嶋先輩ってこんなにすごい人だったんだ。
真剣に如月先輩を好きで、
私たちにはかなわないくらい、
如月先輩を思ってる....
「っ..如月先輩の彼女が...桐嶋先輩でよかったです。すみませんでした。」
「っありがっ..と..」
桐嶋先輩は
泣いていた。
如月先輩が彼女を好きな気持ちが
わかった気がする。
「...よかった。」
先輩は
――――――明日からはいないんだ。
