「本当に劇的に良くなったね……怪我も感情も」



確かに。少し前までは不貞腐れることも出来なかったからね。



「あぁ、でもまだ少し固い。それもこれからゆっくり元に戻せばいい」



ふっと微笑んだ蓮は私を抱え上げたまま部屋を出て、朔とともに車へと向かう。



2人は平然の歩き続けるけど、私は平然としていられない…。



……恥ずかしい…。



抱えられている私は注目の的になり、数多くの視線が突き刺さる。



そんな視線から逃れるために、気休めだが蓮の肩に顔を埋める。