…こいつら一体何者だ?



不信感を抱きながらも一度相手から意識を離すと、気づかぬうちに自分が追い込まれていたことに気づく。



っーーこのままだと囲まれる。



すぐさま周りの気配を探り人数の少ない方向を探る。



……右か。



目の前に現れた十字路を右に曲がり、わざと相手の正面へと走る。



すると気配を感じたより少し少ない十数人が行く手を阻んだ。



やっぱり…こいつ等は私を捕らえるつもりだな。



手に武器は持っておらず、素手で掴みかかってきた。



そんな男たちの間を縫って抜けようとするが、相手もそれなりの実力を持っているようで隙が見当たらない。



……こうなったら上から行くしかないか。



手近にいた男の背中に足を掛けて上に飛び、壁にある障害物を足場に屋根へと飛び乗った。



ここまで来れば……って予想済みか…。



下の路地よりは少ないものの、上にもそれなりの人数が待機していた。



…さっきは気配を感じ取り間違えたかと思ったけど、これの所為だったのか。