苦しさから手を剥がそうと抵抗するが所詮男と女…力で叶うはずもなく、ギリギリと力を込められる。



「ふふっ、苦しい?君は僕の物だ……逃がさないよ」



意識が朦朧とし始め、身体から力が抜けていく。



すると、ゆっくり首を締める力が弱まり解放された。



「ヒュッ……ゴホッゴホゴホッ…」



「もし逃げ出すような真似したら…君の大事な仲間はどうなるだろうね?」



さっきとは打って変わり、無表情でそう告げた黎は部屋を出て行った。



…っく、狂ってる…。



酸素を必死に取り込みながら悪魔の背中を見送った後、しばらく目を閉じてジッとしていると、大分楽になった。