本来新婦は父親と入場し、途中で新郎に引き継がれる…が、私にはもう父親はいない。
蓮はそんなこと気にせず、新郎新婦が同時に入場することを提案した。
プランナーの人の話では、少なくない事例だという。
確かに当初はそれでもいいということで話を進めようとしていたのだが、ふとある人に頼むことを思いついた。
蓮はかなり渋っていたが、私の強引な押し切りでその人に頼むことに決まった。
目の前に見えてきた式場の扉の前に立つ人を見やる。
……送り出してもらいたいと思ったんだ。
「…恭輔」
私の声に反応して、振り返った恭輔に笑顔を向ける。


