目の前に飾られるウエディングドレスに、興奮を隠しきれず口元が緩む。



これを…着るんだ。



女の子の誰もが着てみたいと願うウエディングドレスを見て、確かにと納得する自分がいる。



昔の私は縁のないものだと興味すら湧かなかったけど…今は早く着てみたくて仕方がない。



後ろに控えていたお手伝いさんに促され、手伝ってもらいながらゆっくりと袖を通す。



ウエディングドレスを着た私は鏡を見る間もなく、一流のブライダルスタイリストの手によって飾られていく。



結婚式という一生に一度の晴れ舞台のために。



「これ…私?」



かなりの時間をかけて仕上げられ、鏡を見た私は呆然と呟く。



変装をして潜入をする時に自らヘアメイクをしたことはある…けど、こんなに変わったことはなかった。



……素材を隠さず、引き立てるヘアメイク…か。