「じゃあ俺、ちょっと出掛けてくるね。」



そう言って裕司さんはリビングを出た。



「どうしたんだろ?」


「色々ね……そだ智。



お願いがあるんだけど……。」



お願い?


なんだろ、改まって。



「あの……さ、


そろそろ裕司さんのことお父さんって呼んでもいいんじゃない?」



…そういうことか



「そうだね。でもごめん。まだ俺ん中では父さんって呼べる自信はない。


ごめんね、ホントに。」



「ううん。いいの。


じゃあ8月4日の日、よろしくね。


あと、私たちに向けて手紙かいてくれると嬉しい。」




そう言って母さんもリビングを出ていった。