「ごめんなさい。引っ込みます。」


「えーっと…」


「あっ、ごめんごめん、こいつが調子に乗るからさ～。」



「いえ。そんなことないです…けど、恋ってこんな感じなんですね。


全然気がつかなかったです。」



「まあ、小春は鈍感すぎるけどみんなそんなもんだよ。


すぐには恋に気づかない。」




「ありがとうございます。相談に乗ってくださって。」



「うん。じゃあ、そろそろ行くね。」



「じゃあね～。」


バタン――



「真由美ちゃんは行かないんですか？」



「行くよ。………ねえ、小春。」


真由美ちゃんの目、真剣です。


「はい。」



「下川にとられる前にあんたが奪いなよ。アイツのこと。


約束だかんね。それじゃ。」



バタン――