君は近くて遠い


カラオケに来て3時間ちょっと。
そろそろみんな落ち着いてきてるし、帰ろうと美桜は思っていた。
その時だった。
「お待たせしました~」
さっきから、何度も飲み物や食べ物を運んできてくれていた店員が、いつもより声を高めにして言った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーバチン!
突然、照明が消えてあたりは暗くなった。
だが、テーブルの中央だけぼんやりと明るかった。
ケーキのロウソクだ。