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プロポーズをした日から2ヶ月後、妙にすっきりとした表情の友美に、プロポーズを受ける返事をもらった。
驚きすぎて、言葉を失ってしまった。
俺の反応が意外だったのか、友美もきょとんとしていた。
……本当にいいのか?
一生、俺と一緒にいる覚悟をしてくれたのか?
本当に、俺を選んでくれるのか?
この2ヶ月で、どんなきっかけがあって出された答えなのかなんて知らないけど。
その覚悟だけで、俺は十分だった。
――友美を絶対に幸せにしてみせる。
友美の笑顔に俺はそう誓った。
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結婚式を1週間後に控えた頃。
隼人に呼び出された。
「やっぱり、言っておこうと思って」
「?」
「悪い。あいつと……キスした」
「――……」
『嘘だろ?』という思いよりも、『遂にしたか』という思いの方が勝っていた。
いつの日かそういう日が来るだろうと、俺は覚悟をしていたから。
……もしかしたら、これが友美が俺と結婚することを決めたきっかけなのかもしれない。
「……いつ?」
「……おまえに、友美にプロポーズしたって聞いた日の夜」
「……」
「止められなかった。最後に、一瞬でいいから、あいつのことが欲しかったんだ……!」
隼人は手で顔を覆って俯いてしまう。
……いや、泣きたいのはこっちだけど。
でも妙に落ち着いてる自分がいて。
ふ、と気が抜けるように俺は笑った。
「……ズルいな、おまえは。でも……俺もズルいんだよな。隼人と友美が結ばれることがないことをわかってて、友美のことを手に入れるんだから」
「圭斗……」
「何でこんなにうまくいかないんだろうな。こんな縛られる世界に生まれてきた性(さが)なんだろうけど。縛られない世界に行ければいいのに」
そうすれば、俺が引けばいいだけの簡単な話になるのに。
そんな世界があるなら……二人は幸せになれる。