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……俺は何年もずっと友美と隼人を見てきた。
仲のいい兄妹だな、と純粋に思っていたのは小学校を卒業する頃までだった。
中学に入り、友美となかなか会えない日々が続いた頃に、俺は友美のことを好きなんだと気付いた。
自分の気持ちに気付いて少しした頃、あることに気付いた。
友美が隼人のことを恋愛対象として好きだということ。
隼人が友美のことを恋愛対象として好きだということ。
……二人はお互いに惹かれあってる。
兄妹だからって関係ない。
二人の間に入り込むことなんてできないと、俺はただ二人を見守るように傍にいることしかできなかった。
友美のことを諦めようと何度か他の女と付き合ったこともあるけど、俺の中から友美が出ていくことはなかった。
中学、高校、大学と、どんどん綺麗になっていく友美。
なのに、その無邪気な笑顔は昔と変わらない。
笑顔を向けられるたびに俺の心は友美を欲しがっていた。
……叶わないとわかっていながら。