なんていうか、先輩と私じゃ
やっぱりお似合いとは言えない。



特に周りには犬だと思われてるから
逆に同情されている。




全部を知っているゆんちゃんでさえ、
「良かったね♪」とは言って
くれてもそれ以上は無かった。



でも、ゆんちゃんは先輩の事を
知らないんだからそれは当たり前で…



えっと、だから何が言いたいかと
言うと…ああやって言ってくれて
すごい嬉しかった。




別に、周りの評価なんて恋愛には
関係ない。
でも、先輩は相変わらずいつも
こうだし
他の全ての女性を押しのけて
こんな事しちゃっててもいいのかな。
と思った事が無いと言えば
嘘になる。




「クスッ」



にしても、姫ちゃん先輩て
不器用だな♪



「ほら、うるさいのも
帰ったし帰るぞ。」



「はーい♡
先輩、大好きですっ」



「はぁ?
お前、何を吹き込まれた?」



「秘密でーす(^ ^)」



「は??」



「やーだ、先輩ったら
こわ〜い♡」



「ほう、てめぇいい度胸じゃ
ねーか。昨日の今日でケンカ
売ってくるとは!」



げ。
昨日も怒らせたんだった…
忘れてた。



「え〜と、先輩タンマです??
私が引いてあげるんで、引き分けに
しましょう。
一時休戦ってやつです…」



「なんで、てめぇが上から
なんだよ?引いてあげんのは
こっちだっつの」



「痛い、先輩締まってます!
ちょっ!ギブ!」



後ろから首を締められる。




「はぁ…はぁ…」




毎回、的確に急所を
狙ってくる彼氏ってどーよ!



ねぇ、皆さん!?



「おい、美里。」



ん?



「置いてくぜ?」



ああっと!



「待って下さい!
先輩ーー」









嫌な事もあるけど、1分1秒が
楽しくて、素直じゃない先輩だから
何を考えてるのか
よくわかんない。



だけど、先輩が他の人には
見せない笑顔を私にくれる。



それだけで、「好き」や
「愛してる」の言葉より私は
幸せになれる気がするな。