それほど
その時の辛い気持ちがトラウマになってるのかもしれない。
「ムシしてんじゃねぇよ」
「……‼」
髪の毛を掴まれて、無理やり顔を上に向かされる。
「……っ」
あまりにも強い衝撃に、顔をしかめて手で抵抗する。
「や、やめて」
「はぁ⁉ウソ付いたんだから当然の報いだろ。やめてとかマジウケるんですけど‼誰がやめるかっつーの‼」
手の力が強まって、髪がブチブチ切れる音が耳に届いた。
なにも出来ない自分が情けないやら悔しいやらで、目にじわっと涙が浮かぶ。
あたしは弱い。
自分でどうにかしようとは思えなくて、誰かが助けてくれることを祈るしか出来ない。
「あんた達、なにやってんのよ‼」



