あたしだって被害者なのに。
どうしてこんな目に遭わなきゃなんないの。
「否定しないってことは、付き合ってるって受け取っていいんだ?」
「卑怯者‼大ウソつき‼」
「大人しそうな顔して裏ではめっちゃ性格悪いね、あんた」
「この性格ブス‼」
キーキー捲し立てる2人を見ながら、心の中で愛翔を恨んだ。
愛翔のせいでこんな目に……。
本当についてないよ。
さすがにここまで言われたら落ち込むけど、実際本当のことなんだからなにも言い返せない。
「黙ってないでなんとか言えよ‼」
ドカッ
「きゃっ」
金髪ギャルが痺れを切らして体育館の壁を蹴った。
とっさに身構えたあたしは、手にしていた紙パックのジュースを落として、その手で頭を抱えるようにしゃがみ込んだ。



