「結翔のことはあんまり心配してないけど、お前のことはめちゃくちゃ心配なんだよ」
怒りをあらわにする愛翔を見ても、ヒロさんはその雰囲気を一切崩すことはない。
「心配されるほどガキじゃねぇし、余計なお世話なんだよ」
吐き捨てるようにそう言って、プイと顔を背ける愛翔。
「バーカ。俺の中ではいつまでもガキのまんまなんだよ。ってなわけでうちの愛翔をよろしく頼むよ、美久ちゃん」
「う、うん」
なんだか愛翔ってみんなから心配されてるような。
結ちゃんも心配してたし
ユメさんも……。
「ま、竜太に認めてもらえるようにせいぜい努力しろよ。あいつを認めさせるのは相当苦労するぞ」
ヒロさんは愛翔の肩をポンッと叩いて立ち上がった。
「美久を振り向かせるためにした努力に比べると軽いもんだ」
そんなセリフを恥ずかしげもなく言ってしまう愛翔は、まるで人が変わってしまったかのよう。
だってだって
こんなに甘いセリフを吐く姿をあたしは知らない。



