不良系幼なじみとの甘い恋愛事情



小さい時から意地悪なイメージしかなかったもんね。



でも今は違う。



優しいところも温かいところも、今になって思い出せる部分がたくさんある。



これからはそれを見落とさないようにしていきたい。



カランカラン



扉を開けた途端、店内からは楽しそうな笑い声が響いた。



「わぁ、オシャレ」



白のレンガを基調とした店内は、こだわりのある小物とゆったりしたBGMで落ち着きのある雰囲気を放っている。



中は思っていたよりも広くてカウンター席は満席だった。



「愛翔……⁉美久ちゃんまで」



キッチンでシェイカーを振るヒロさんが、入口に佇むあたし達の姿に気付いてびっくりしたような顔を見せた。



店内は薄暗いけど表情ははっきりと見える。



蝶ネクタイをつけてピシッとした格好をしてるヒロさんは本当に素敵だった。



「こいつがどうしてもオヤジのミックスジュース飲みたいって言うから」



繋いでいた手を離そうとしたら、逆にギュッと握られてしまった。



それを見てヒロさんがニヤッと笑った気がした。