「なぁ」 俯くあたしの視界には愛翔の表情までは見えなくて。 でも手を持ち上げたのが雰囲気でわかった。 サイドで束ねた髪に愛翔の手が伸びて来て思わずビクッと反応する。 それと一緒にドキドキも加速する。 やばい、あたし絶対顔真っ赤だ。 「あたし……愛翔のことが」 「兄貴に告る気になったか?」 「えっ?」 勇気を出して言おうと思ったのに、あたしの言葉は冷静な愛翔の言葉によって打ち消された。