どうせ愛翔みたいにモテないし?



告白だってされたこともない。



付き合った経験とか

ましてやキスなんて。



するならやっぱり



「やらしーな、兄貴とそういうことしたいとか思ってんだ?」



「なっ……」



図星を突かれて言葉に詰まる。



「昔っから顔に出やすいからな、お前」



ニヤッと笑った後、愛翔はあたしが立ち尽くす壁の横に手を付いて顔を近付けて来た。



「な、なにっ?」



近い位置で上から見下ろされ、上目遣いで恐る恐るその瞳を見上げる。



悔しいくらい綺麗に整ったその顔に、思わずドキッとさせられた。