しばらく歩くと少し広いスペースに出た。
足を止めて木に寄りかかるように座ってる人の姿に思わずドキッとする。
「愛翔……」
「お前……なんでここに?」
目を大きく見開く愛翔。
目が合ってドキドキが更に大きくなっていく。
「ハルに……聞いて。ここ2人の秘密の場所なんでしょ?」
浴衣の裾をギュッと握り締める。
緊張から手には汗をかいていた。
「……なんか用?」
フイッと目をそらされて愛翔は前を向いた。
無表情のその横顔があたしの心を怯ませる。
やっぱり嫌われてるよね。
でも、ここで逃げちゃいけない。
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