気まぐれでこんなことをするのだって、きっと単なる暇潰しで……。



そこに気持ちなんて存在しないんだよね。



そんなことを思うと、どうしようもなく胸が苦しい。



唇を噛み締めて俯くと、目にたまった涙が頬に流れた。



「ごめ……っ、あた、しっ……もう辛い」



本当に好きになってしまった今、このまま偽りの関係を続けていくのは辛い。



キスだって、お互いの気持ちが通じ合ってなきゃ意味がない。



たかがキスだって愛翔は思ってるかもしれないけど、平然と出来るほどあたしは強くない。



体の関係だけの女なんて辛すぎるから。


傷付いてもいいから側にいることなんてあたしには出来ない。



「もう……ムリだよっ」



もう取り返しのつかないところまで来てしまっている。