誰か、いるの……? でもここはもう使われていないはずで……。 人がいるだなんて本来ありえない。 恐る恐る足を進めて扉の前まで来たあたしは、中の様子をうかがうためにそっと耳を澄ました。 確かに誰かがいる気配がして、気付かれないように息を潜める。 「どうしてもあたしじゃダメ?もう……好きすぎてどうしようもないの」 この声は……。 どこかで聞いたことがあるような。 「…………‼」 ガラスになっている部分からそっと中を覗き見たあたしは、思わず声が出そうになるのを手で押さえた。