「バイバイ…」
あたしが
立ち去ろうとすると肩をつかまれる
ん?
「奈々美?」
「てめぇおせんだよ」
てめぇ?
しかも低くない?
「何…うぇ吐き気が…」
「んだと?」
いや
だって
気持ち悪いって言ってジュース買いに行ってるのにダッシュで行ける訳ないじゃん
うん
「暇人の様に立ち話してたバカはどこにいんだよあ?」
嗚呼…
あそこで断れば良かった
猟牙怖…
「すみません」
「ったく行くぞ」
なっ…
確かに立ち話はしてたけど気持ち悪いのは嘘じゃないのに…
「何してんだよ歩けノロマ」
「気持ち悪いのは嘘じゃない」
「は?」
は?ってこっちの台詞!
何しに…
「早く買え」
…
「そこは奢ってくれてもいいじゃん…」
小さく言ったんだけど聞こえてたかな?
チラッと財布を開けながら
上を見る
…
見向きもしてないし
まぁ、
その方がいいんだけどさ
何買おうかな
ガコンと
ジュースが落ちてくる
え…?
お金入れてない…
あたしを隠すように影
「おっせーんだよ
お前マジノロマ。後輩に捨てられるぞ」
なっ…
後輩!?
「ん」
は?
え?
はえって何よ!もう…
「お茶でいいだろ」
大きい手に
小さく見える
お茶
小さいあたしの手


