i.Love You

はぁ…と
溜め息を1つ
ピタリと陽気な音楽がやむ。

終わったんだ


「あ…」



俺が亜弥に話しをかけようとしたときには
亜弥はもう、知らない男と話していて

「んだよ…」


男いたんじゃんか

散々散々!
「行くなっていったくせにお前は違う奴のとこ行くんだ」


早とちり
早とちり

こいつの話も聞かないと…
聞かない…と…

亜弥の隣の男は余裕のない俺の顔を見て、
フッと鼻で笑った


俺の中で
ぷつりと何かが切れた

何が切れたか
わからない
でも気づいたときには

あの男に
殴りかかっていて


「やめて!」
亜弥は必死でとめようとする


でも切れた何かはなかなか結びつかない


「お前さぁ余裕ない顔してるから女すぐとられんだろ?」
っ……―――!

女?俺は亜弥をとられた覚えは…


……―――。
男は
ククククと
笑うと真剣な
表情で俺に耳打ちをする


「いつまた女取られるか…楽しみだな」


“また”


…どういう…


「猟牙!」
亜弥は
はぁはぁと息を切らしながら
俺の前でヘナヘナと
倒れ込む
「大丈夫か?」

息を切らしてるのは
きっと
とめるのに動き回ったり声を沢山出したからだろう

こんなに…頑張ってくれるから
離したくなくなる――――………。